消費者庁へパブリックコメントを送りましょう(締切1/23)
現在、消費者庁が「第5期消費者基本計画(素案)」に関しての意見を募集しています。
第5期消費者基本計画(素案)に関する意見募集について|e-Govパブリック・コメント
この消費者基本計画は、来年度から向こう5年間の消費者政策の大枠を定めるものです。この基本計画に政策が盛り込まれることによって施策が進みます。そういう意味で、大変重要なものです。香害について、健康被害の観点から製品を規制するのは、厚生労働省の所管になります。しかし、市場に出回る家庭用品に関する様々な対応は、消費者庁の所管です。
このパブリックコメントは、「香害対策を消費者基本計画に入れてほしい」と、消費者庁に要望するチャンスです。数年前、環境省と経産省が、石けん成分を環境汚染物質に指定しようとした際には、3000もの反対意見が寄せられ、指定をやめたことがありました。多くの市民の意見によって、政策に影響を及ぼすことができるのです。
以下に、これまでの行政とメーカーの対応についての解説と、意見サンプルも掲載しました。参考にしていただき、ぜひ、多くの方に意見を送付してもらいたいと思います。
<これまでの行政とメーカーの対応について>
国民生活センターは、消費生活相談窓口188への相談件数が多いため、2013年、2020年と二度にわたり「柔軟剤のにおいに関する情報提供」を行い、消費者庁やメーカーに取り組みを要望。その結果、ラベルへの「使用量の目安を参考にして周りへの配慮を」という注意表記や製品の香りの強さのレベル表示、HPでの香料成分開示などの対応が行われました。また、消費者庁は、2021年に、5省庁連名による香りへの配慮を求めるポスターを作成しました。
「香害をなくす連絡会」が、定期的に消費者庁に要望書を提出、面談を重ね、製品の安全性やラベル表示の問題点について話し合っていますが、残念ながら、その場だけのやり取りに留まっています。
参考:「香害をなくす連絡会」と消費者庁の面談の様子
https://nishoren.net/wp/wp-content/uploads/2024/11/73a01ec0c8923bf5ddb2c9e99d011c49.pdf
消費者庁が、消費者への更なる注意喚起を行ったり、メーカーに品質についての詳細なラベル表示を義務付けたり指導したりすることで、消費者に製品の安全性を具体的に知る機会を提供すれば、香害を減らす対策につながることが期待できます。
***パブリックコメントってどう書けばいいの?***
◆素案の該当箇所の【ページと行数】を記して、それについての意見を書くことが基本です。
◆具体的な該当箇所がわからない時には、【全体】と記して、意見を書きます。
特に、香害に関連が深いP39~49「2.消費者の安全及び自主的かつ合理的な選択の機会の確保」に関する意見サンプルです。よろしければ、参考にしてください。
例1:【P40の25行~】現在進行形の「香害」と呼ばれる健康被害についての対応を進めることをここに書き加えてほしい。
例2:【P46の17行~】洗剤・柔軟剤・消臭スプレー等の広告が、香害被害を助長しないよう、景品表示法の優良誤認表示に当たらないかどうか、厳正に対処を進めることをここに書き加えて欲しい。(無添加、絶対無臭などの表示に対処してほしい。)
例3:【P46の23行~】国際的に求められている「GHS(世界共通有害性)表示」の家庭用品への導入を進めることをここに書き加えて欲しい。消費者の知る権利を確保するとともに、人への有害性や環境汚染を招く製品であることがラベルから判別できるようになれば、エシカル消費を促すことにもつながる。世界共通のマークであることから、増加する訪日外国人への情報提供も可能になる。製品の有害性が一目でわかるようになるため、香害製品の使用者が減少し、香害被害の低減も期待できる。
例4:【P46の23行~】家庭用品品質表示法で、製品の全成分開示を進めていくことをここに書き加えて欲しい。全成分表示は、QRコードを活用すれば可能である。(例えば、洗濯洗剤では、1%未満の成分が表示されないため、「香料」という表記のない1%未満の香料入り製品を香りがないと誤認する消費者が多く、香害を広めている。)消費者の知る権利を確保し、エシカル消費を促すことにもつながる。
例5:【P46の23行~】現在は、家庭用品品質表示法での指定品目から漏れている、柔軟仕上げ剤、消臭除菌スプレー、芳香剤等を指定品目に加えていくことをここに書き加えて欲しい。業界の自主基準だけでは、消費者の知る権利が確保されているとは言い難い。加えて全成分開示が必要である。
◆【P46の16行~】の「④表示に関する制度の適切な運用」については、他にも、洗剤・柔軟剤等のラベルへの、マイクロカプセル使用、移香注意、健康被害注意の表示をしてほしいことなども意見として書けると思います。
担当者は、届いた意見に必ず目を通します。香害被害を減らすために、この機会を逃さず、消費者庁に多くの意見を届けましょう。