安藤 聡彦 埼玉大学教育学部 教授
「他の人はどうしているんだろう?」という問いによって、自分の問題が社会の問題になると思います。このネットワークのつながりを通して、私たちにとってより生きやすい日々の暮らしと社会のあり方が見えてくることを心から願います。
安藤 直子 東洋大学理工学部応用化学科 教授
私はアトピー性皮膚炎の患者です。他の人にとっては何でもないことが、自分にとっては大きな刺激となってしまい、時に普通の社会生活も難しくなってしまいます。皆が他者への想像力を持つことで、困っている人たちが無用の苦しみを背負わずにすむ社会になって欲しいと思います。
石川 憲彦 児童精神科医・元静岡大学保健センター長
大河内 博 早稲田大学創造理工学部教授
自宅を新築して入居した際,工期が遅れていたために内装に使われた接着剤の乾燥が不 十分だったようで,入居とともにシックハウス症候群の症状を示すようになりました。一 週間ほど室内換気をして症状はおさましましたが,その後,リフォームしたばかりの部屋 に入ると症状がでます。昨年も家内の母の引っ越しを手伝った際に,リフォームしたばか りで大変でした。頭がずっと重く,鼻水がとまらず,目が開けられるなくなり,何も出来 なくなります。私の場合はその場を離れれば症状はでなくなりますが,このような症状が ずっと続く化学物質過敏症,香害では本当に大変であると思います。
私はこれまで富士山など野外をフィールドにして大気環境問題に取り組んできましたの で,室内環境については素人ではありますが,大気中マイクロプラスチックの研究を始め たことをきっかけとして室内環境に関する研究も始めました。環境化学者の立場から科学 的根拠を出せるように,室内環境計測を進めていきます。また,私が理事を務めている大 気環境学会にも,学会として取り組んでいただけるよう働きかけをしていきたいと考えて おります。
大谷 尚子 養護実践教育センター代表・茨城大学名誉教授
角田 和彦 かくたこども&アレルギークリニック 院長 リリック 香りとは
しがない臨床医ですが、私にできることがあれば協力いたします。
木村-黒田 純子 脳神経科学情報センター副代表 医学博士
現代社会には有害な人工化学物質が溢れています。人によって化学物質に対する感受性が異なることは、科学的にも明らかです。症状が出ない人にとっても、有害な化学物質をなくしていくことは、全ての人の健康に、自然環境にも重要です。
黒田 洋一郎 脳神経科学情報センター代表 医学博士
小宮 みぎわ 動物病院キャットクリニック 獣医師
特にこのコロナ禍において、香料に限らず大気中の化学物質は格段に増えています。それらの化学物質を人間よりも高濃度に体内に取り込み、人間よりも早く健康被害を被っているのが家庭で飼われているペット達です。この状況をみて、居ても立っても居られなくなり、これまでSNSで発信してきました。しかし、同業者からもデタラメを言うな!と誹謗中傷を受けました。
そんな折、この会で多くの大先輩たちと巡り合えたことを、大変感謝しております。どうぞよろしくお願いいたします。
斉藤吉広 稚内北星学園大学前学長 稚内市立図書館郷土資料調査員
<合成洗剤+柔軟剤>という組み合わせは、「汚れや臭いを落とす」というよりも、合成化学物質をマスキングして「汚れや臭いをごまかす」というもののようです。多くの「消臭剤」にしても、たぶん似たようなものなのではないでしょうか。
化学的に新しいものの方がすぐれているのだろうという思い込みは、私にもずっとありました。そしてさらに、「食器には食器用」「浴槽には浴槽用」みたいな商品のバリエーションにもきっと合理的な根拠があるんだろうとも信じていました。しかし実際は、たいていの汚れには石けんだけで済みます。済まない場合は重曹やクエン酸があればもっとどうにかなります。
この問題以外でも、メディアの働きによって無意識に常識化していることの中に、実は大きな間違いでしたというものがあるかもしれませんね。
高田 秀重 東京農工大学農学部教授
寺田 良一 明治大学名誉教授(環境社会学)
私が教員になった1980年代には、アルコールに弱い私に、「俺の継いだ酒が飲めないのかぁ」と絡む年配の先生、「女子は先生にお酒を注いであげて」などといらぬ気を回すゼミコンパの男性幹事、もうもうと紫煙がたなびく教授会など、今では信じられないアルハラ、セクハラ、受動喫煙などが堂々とまかり通っていました。他人が苦痛や不快感を感じることをしてはいけないという倫理観は、「ハラスメント」というネーミングを得たことで、この間ずいぶん改善してきました。いま私たちが進めるべきは、あなたが「楽しんで」いるそのニオイは、私たちの暮らしを蝕んでいるのですという「ケミハラ」観念を、世の中に広げていくことだと思います。
永吉 雅人 新潟県立看護大学人間環境科学領域准教授
自分ができることとして、調査活動を通じて「知っている人を増やす」ことが大切だと考えています。知ることで、一人一人が自分を守るためにも、周囲を守るためにも、自分の行動を変えていく、そんな流れができることを願っております.
水島 宏明 上智大学文学部新聞学科教授
コロナ禍でアルコール消毒などが求められる中で苦痛を感じていらっしゃる人たちがいることと想像しています。小さな声を上げることの大切さを痛感しています。
宮田 幹夫 そよ風クリニック 院長
今後、患者さんの数は増加してくると思います。化学物質漬けの社会から抜け出さないと、人類は滅亡してしまいます。社会の指南車となって、ご活躍ください。ただし、無理は禁物ですので、健康を損なわない範囲でお願いします。
柳沢 幸雄 北鎌倉女子学園学園長、東京大学名誉教授
山口 和彦 国立精神・神経医療研究センター客員研究員 脳科学者
山田 真 小児科医・八王子中央診療所理事
山森 亮 経済学者
渡辺 一彦 医療法人社団 渡辺一彦小児科医院理事長
香料による健康被害「香害」は水俣病、アスベスト、塵肺以上に、国民全体に及ぶ「公害」であり、しかも深刻な例が集積しています。行政や企業の動向を見ていると、早急な解決のためには、患者さんの生存権、健康権、就労権、就学権をかけた集団訴訟しかないと考えています。